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歯周基本治療でも治らない場合はどうする?〜歯周外科治療について〜
歯周基本治療が大事と前回のブログでお伝えしましたが、それで改善しない時には、どういう手段があるかを今回お伝えしようと思います。
改善が厳しい場合は、歯周外科治療を行うことがあります。
(軽症の場合は、歯周基本治療のみで治癒可能です)
どういう時にするの?
歯周基本治療後の再評価時に歯周ポケットが4mm以上ある場合
歯周外科治療の目的は?
- 歯周病の進行を防ぐ
- 歯周基本治療後に取りきれないプラークや歯石などを、直接見える状態にして除去する
- 歯周ポケットを浅くし、患者さん自身がメンテナンスしやすい状況にする
- 歯を作製する前に歯茎の環境を改善する
- 歯を支えている骨を再生させる
どういう流れですすむのか?
- 初診時診査
- 歯周基本治療
- 再評価(CT等追加の検査を行うこともあります)
- ご説明
- 歯周外科治療(1〜2時間)
術後に腫れたり、痛みがでたりすることがあります
抗生剤や鎮痛剤を処方します - 消毒(翌日〜数回)
- 抜糸(概ね2週間後、軟毛ブラシにてブラッシング開始)
- 歯茎の治癒(概ね1ヶ月、通常ブラッシング開始)
- 骨の安定化(概ね3ヶ月)
- 再評価
- 歯の作製など
- メンテナンスへ移行
歯周外科治療できない患者さんは?
- ホームケアができてない患者さん(再発したり逆に悪化することもあります)
- 全身疾患が重篤な場合
- 治療期間が限られている場合
- 歯周病が著しく、抜歯が適応と考えられる場合
- たばこ吸われる方(治りが悪く、治療がうまくいかないことがあります)
歯周外科治療を行うことによる不快事項
- 知覚過敏が起こることがある(術後、薬剤塗布等で対応、神経の処置が必要になることもあります)
- 抜歯する時のように、術後腫れたり痛みがでたりする(お薬にて対応します)
- 歯茎が引き締まる分、歯と歯の間の隙間が広がる
- 治癒するまであまり手術部位で噛めない
歯周外科治療を行わないとどうなる?
- 歯周病が管理できずに進行して、歯を失いやすくなる
- 急に痛みがでたり、腫れたり、噛めなくなることがある
- 患者さんの日頃の管理が大変になる
- 抜歯になる可能性が高くなる
歯周外科治療でも治らない時
メインテナンスにて経過をみるか、抜歯で対応となります。
まとめ
歯周外科治療をするかどうかは、歯科医院によっても異なります。悪い歯を症状がでるまで使うのも一つの考えですが、その分患者さんの清掃の負担も増え、お口の中に、不安要素を抱えながら生活を送るのも考えものです。
当院では歯周病をしっかりなおしたい、患者さんには健康であってほしいと言う思いから積極的に歯周外科治療を行なっております
ただ歯周外科治療の成否も歯周基本治療ができてないとうまくいきません。歯周外科治療は患者さんの負担もかかり、治療期間も長くなります。本来は進行する前に手を打つのが賢明です。この治療はあくまでも悪くなってしまった歯をできるだけ残す手段、これから悪くならないようにする手段と考えてもらったらいいと思います。
あわたぐち歯科医院では、再評価時に、患者さんとメリットデメリットを話しあい、最終的にどうしていくかを決めていきます。
日頃から予防、メンテナンスをして、悪くならないようにする方がいいのは言うまでもありません。